JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「倉坂さんのことが、好きだったの?」
確信しているのに、否定してくれることを期待している私だった。
「倉坂さんが転勤してくる前に、実は私の同期の子が倉坂さんと同じ部署でいろいろ話を聞いてたんです。それで、写真送ってもらったりしてるうちに、いつの間にか好きになってしまって」
想像以上の内容に、私は何も声が出ずに、息を飲む。
私が知るずっと前から裕美子は好きだったというのか。
「そんな前から・・・・・・?私、全然知らなくて」
「本当に、早く言わなきゃって思ってるのに、言えないままどんどん引き返せなくなってしまいました」
苦しかったのは、裕美子の方なんだ。
私は、何も知らなかったんだから。
「まず、私の気持ちを伝えるか、裕美子の気持ちを聞くか、どっちからにしよう」
と提案した私に、裕美子はゴクリと唾を飲み込み、私から話します、と言った。
何を聞いても驚かない。
もう、ある程度のことは想像している通りだと思うし、覚悟はできている。
のどを通る冷たいコーヒーが、熱くなる体を冷やしてくれる。
ガヤガヤとした店内。
このガヤガヤとした感じって、独特だよねぇ。
みんなちゃんと会話しているのに、いろんな声が集まると、会話なんて聞こえなくて、騒音のような音になる。
なんて、落ち着いて店内の音を分析している私だったけど、裕美子の第一声に、そんな平和な脳内ではなくなった。