JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
「ゆめちゃんとはキスしないの?」
聞こえないくらい小さな声で質問した。
「・・・・・・しねぇよ」
倉坂さんも小さな声で答える。
「でも、ホテルは行ったけど」
コーヒーショップの店員さんがタイミング良く、グラスを床に落とした。
私の心が割れる音かと思った。
ガッシャーン!!
ホテル。
ホテル?
何?
それ、何するところ?
「ホテル、行ったの?」
「ホテルなんて誰とでも行ける」
冷めた表情で、冷めた声でそう言った倉坂さん。
血の気が引いた。
その先を聞きたくなかった。
「エッチなんて、誰とでもできる」
店員さん、またグラスを落としてください。
じゃないと、私の心が割れる音が・・・・・・聞こえてしまう。