きっともう大丈夫
女子力・・・０ 魔力（セクシーさ）・・・0 攻撃力（喧嘩）・・・３０の女
「沙希さ～ん。これどうします～？」
客足が一旦引いた店内の隅っこで2時間前に届いた商品の品出しをしていた。
私が勤めてる店は「halulu」という生活雑貨のお店で、、今流行りのナチュラルテイストを取り入れ、オーナーの趣味でもあるドライハーブを扱っている。
だが、オーナーが接客することはないので
ハーブについてのあれこれは、私をはじめ他のスタッフも悪戦苦闘しながら
知識を叩き込んでる状態だ。
声の主はアルバイトで専門学校生の葉月真帆(はづきまほ)ちゃんだ。
オープン当初から一緒に働いているんだけど天然というか
良く言えばアーティスティックというか、つかみどころがないというか
なんというか・・・・
ときどき思いもしない発想で私を驚かせてくれる。もちろんいい意味でね。
店内のディスプレイなんかも目からうろこ的な発想で売り上げにも貢献してくれる子。
雑貨の値付け作業は、はっきりいって面倒な作業だ。
スーパーの様になんでもラベラーでがちゃがちゃ値段を付ければいいっていうわけでもなく、丸い小さなシールに油性の極細ペンで値段を書いてそれを
１こ１こ商品に張り付けるといっためちゃめちゃ地味な作業。
物によってはシールがはがれやすかったりするものもあるから
そういったときはシールを貼ったその上からセロテープで剥がれ防止をする。
入荷した商品を見るのはとても楽しくってワクワクするが
値付けに関しては、はっきりいって好きじゃない。
だが、私の相棒と言える？！真帆はそれが大好きときた！
「こんな小さなシールにこれまた小さな字で何枚も値段を書くのが好き？信じられないわ」
彼女は満面の笑みで
「大好きですよ～～ってか沙希さんなんでいやなの？そっちのほうが信じられないんですけど」
楽しそうに値段を書く真帆を見てると
この子には辞めてもらわないようにしなくっちゃと値付けの度に思うのだった。
そしてこの時間が唯一休憩時間みたいな感じで
真帆と他愛のない会話を楽しんでるが、内容のほぼ8割が恋ばな。
それも恋ばなができるのは真帆だけ。
本人曰く
「超イケメンなんです～～」だそうだ。
写真を何枚か見せてもらったが、ん～～これが真帆ちゃん的イケメンなのね。
と思ったのが最初の感想。
真帆がアーティスティックならば彼はまさしくアーティストだ。
私のタイプでは決してないが真帆は彼に夢中らしい。
そして、どれだけ彼がすばらしいのかを雑貨の値付け中に語られる。
人のバカップルぶり（いえいえ恋ばな？）を聞いてもはっきり言ってなんの面白みもない。
私の様なシングルはいい話よりも逆に良くない話のほうがおもしろいのだ。
だが聞いてるような顔して聞いてなかったりすると
「沙希さんちゃんと聞いてます？」って確認されるので
真帆の恋ばなを聞くのも仕事のうちと思うようにしながら話をきく。
そしてしめは
「沙希さんも早くいい人見つけてくださいよ。すごくもったいない～～なんなら私も知り合い紹介しますよ～」
それだけは遠慮したいです。
私はアーティストより普通のサラリーマンでいいんです。
アーティストぽい人はもう遠慮したい。
それに真帆の紹介となると年齢もかなり下がるよね・・・・
それも遠慮したい。
曖昧な笑みというか作り笑いで仕事モードに切り替た
アーティストっぽいひとはもう遠慮したい。
過去にそういう人と付き合ってたからこその言葉でもあった。
この仕事に就くきっかけににもなった圭吾(けいご)。
私よりも６こ上の３２歳。
サラリーマンだったが趣味でバンドをやっていた。
知りあうきっかけは好きなバンドが共通してたことで意気投合して
付き合うようになったが休みの日はほとんどバンドの練習。
会える日は彼の家で過ごすことがほとんど。
しかもやることと言ったらベースの練習してるかエッチしてるかで・・・
ひどい時は私がいるのにバンドの練習に出かけ、私はその間彼の家で留守番
なにしに来てるのかさえもわかるなくなっていた。
ときどき・・・もしかすると私彼女じゃなくてセフレだったりして？
とまで思うようになり
半ば対抗心で自分もバンドに加入して(もちろん彼とは別の)
ストレス発散？！してたんだけどそれから数カ月後、
彼から浮気が本気になったとかいって振られた。
そんな情けない別れ方をした半年後に生活雑貨のお店で店長として働くことになり今に至る。
彼氏がほしいと思ったりもしたが、漠然とそう思っただけで消極的、
しかもこんな男っ毛のない仕事場。
こんな私を真帆はかわいそうだというが大きなお世話。
２６歳。微妙な年齢・・・・・この先なんの出会いもなくだらだらと生活してたら
あっという間に３０を越してしまう。
焦ってないと言えばうそになるが・・・・怖いのかもしれない
同じことを繰り返すのではないかと
あ～～私ってつくづく残念な女だな・・・・
値付けされた商品のディスプレイをしようと立ち上がりながら
は～～っと大きなため息をついた。
するとすかさず真帆から
「沙希さん！ため息禁止ですよ。幸せが逃げちゃう。」
あんたはかわいいよ。
真帆みたいなのが彼氏なら楽しいんだろうな～～
女子力のなさにも落胆をかくしきれない
雪村沙希27歳・・・・彼氏いない歴9ヶ月。
女子力・・・０ 魔力(セクシーさ)・・・0 攻撃力（喧嘩）・・・３０
客足が一旦引いた店内の隅っこで2時間前に届いた商品の品出しをしていた。
私が勤めてる店は「halulu」という生活雑貨のお店で、、今流行りのナチュラルテイストを取り入れ、オーナーの趣味でもあるドライハーブを扱っている。
だが、オーナーが接客することはないので
ハーブについてのあれこれは、私をはじめ他のスタッフも悪戦苦闘しながら
知識を叩き込んでる状態だ。
声の主はアルバイトで専門学校生の葉月真帆(はづきまほ)ちゃんだ。
オープン当初から一緒に働いているんだけど天然というか
良く言えばアーティスティックというか、つかみどころがないというか
なんというか・・・・
ときどき思いもしない発想で私を驚かせてくれる。もちろんいい意味でね。
店内のディスプレイなんかも目からうろこ的な発想で売り上げにも貢献してくれる子。
雑貨の値付け作業は、はっきりいって面倒な作業だ。
スーパーの様になんでもラベラーでがちゃがちゃ値段を付ければいいっていうわけでもなく、丸い小さなシールに油性の極細ペンで値段を書いてそれを
１こ１こ商品に張り付けるといっためちゃめちゃ地味な作業。
物によってはシールがはがれやすかったりするものもあるから
そういったときはシールを貼ったその上からセロテープで剥がれ防止をする。
入荷した商品を見るのはとても楽しくってワクワクするが
値付けに関しては、はっきりいって好きじゃない。
だが、私の相棒と言える？！真帆はそれが大好きときた！
「こんな小さなシールにこれまた小さな字で何枚も値段を書くのが好き？信じられないわ」
彼女は満面の笑みで
「大好きですよ～～ってか沙希さんなんでいやなの？そっちのほうが信じられないんですけど」
楽しそうに値段を書く真帆を見てると
この子には辞めてもらわないようにしなくっちゃと値付けの度に思うのだった。
そしてこの時間が唯一休憩時間みたいな感じで
真帆と他愛のない会話を楽しんでるが、内容のほぼ8割が恋ばな。
それも恋ばなができるのは真帆だけ。
本人曰く
「超イケメンなんです～～」だそうだ。
写真を何枚か見せてもらったが、ん～～これが真帆ちゃん的イケメンなのね。
と思ったのが最初の感想。
真帆がアーティスティックならば彼はまさしくアーティストだ。
私のタイプでは決してないが真帆は彼に夢中らしい。
そして、どれだけ彼がすばらしいのかを雑貨の値付け中に語られる。
人のバカップルぶり（いえいえ恋ばな？）を聞いてもはっきり言ってなんの面白みもない。
私の様なシングルはいい話よりも逆に良くない話のほうがおもしろいのだ。
だが聞いてるような顔して聞いてなかったりすると
「沙希さんちゃんと聞いてます？」って確認されるので
真帆の恋ばなを聞くのも仕事のうちと思うようにしながら話をきく。
そしてしめは
「沙希さんも早くいい人見つけてくださいよ。すごくもったいない～～なんなら私も知り合い紹介しますよ～」
それだけは遠慮したいです。
私はアーティストより普通のサラリーマンでいいんです。
アーティストぽい人はもう遠慮したい。
それに真帆の紹介となると年齢もかなり下がるよね・・・・
それも遠慮したい。
曖昧な笑みというか作り笑いで仕事モードに切り替た
アーティストっぽいひとはもう遠慮したい。
過去にそういう人と付き合ってたからこその言葉でもあった。
この仕事に就くきっかけににもなった圭吾(けいご)。
私よりも６こ上の３２歳。
サラリーマンだったが趣味でバンドをやっていた。
知りあうきっかけは好きなバンドが共通してたことで意気投合して
付き合うようになったが休みの日はほとんどバンドの練習。
会える日は彼の家で過ごすことがほとんど。
しかもやることと言ったらベースの練習してるかエッチしてるかで・・・
ひどい時は私がいるのにバンドの練習に出かけ、私はその間彼の家で留守番
なにしに来てるのかさえもわかるなくなっていた。
ときどき・・・もしかすると私彼女じゃなくてセフレだったりして？
とまで思うようになり
半ば対抗心で自分もバンドに加入して(もちろん彼とは別の)
ストレス発散？！してたんだけどそれから数カ月後、
彼から浮気が本気になったとかいって振られた。
そんな情けない別れ方をした半年後に生活雑貨のお店で店長として働くことになり今に至る。
彼氏がほしいと思ったりもしたが、漠然とそう思っただけで消極的、
しかもこんな男っ毛のない仕事場。
こんな私を真帆はかわいそうだというが大きなお世話。
２６歳。微妙な年齢・・・・・この先なんの出会いもなくだらだらと生活してたら
あっという間に３０を越してしまう。
焦ってないと言えばうそになるが・・・・怖いのかもしれない
同じことを繰り返すのではないかと
あ～～私ってつくづく残念な女だな・・・・
値付けされた商品のディスプレイをしようと立ち上がりながら
は～～っと大きなため息をついた。
するとすかさず真帆から
「沙希さん！ため息禁止ですよ。幸せが逃げちゃう。」
あんたはかわいいよ。
真帆みたいなのが彼氏なら楽しいんだろうな～～
女子力のなさにも落胆をかくしきれない
雪村沙希27歳・・・・彼氏いない歴9ヶ月。
女子力・・・０ 魔力(セクシーさ)・・・0 攻撃力（喧嘩）・・・３０
