きっともう大丈夫
それから半年後
私たちは、結婚と独立してお店を持つことをみんなに報告をした。
今まで、付き合っていたことを隠していたのでその驚きは凄かった。
明良は見ての通りイケメンだから他の女性スタッフからどんな仕打ちが待ってるかと思ったが思いのほか祝福され私は一人で驚いていた。

そして私は雪村沙希から鈴木沙希になった。
結婚式はなんと「HANA-B」で行った。
花に囲まれスタッフと親族のみの小さな結婚式ではあったが
この時は本当に幸せでいっぱいだった。
もちろんブーケは明良が作ってくれて、雑誌にも紹介された(ブーケだけ)
それからほどなく二人は退職
・・・いや3人だ。
なんと、詩織が私たちの店で働くことになったのです。
彼女も近い将来自分の店を持ちたいと社長に相談していたそうで
明良の方に話がきたそうな。
詩織がいてくれれば心強いし大歓迎!
益々やる気になってきたが、開店準備がこんなに大変だとは思いもしなかった。
私たちは毎日お店に寝袋持参で甘いというより過酷な
新婚生活を送っていた。

そして6月・・・
私たちのお店、「花音(カノン)」がオープン
決して大きな店ではないが、「HANA-B」の時の顧客がわざわざ
来店してくれたり、雑誌などの影響で客足も上々だ。
ただ、明良とのラブラブな新婚生活を期待していたのに
この忙しさでなかなか2人でゆっくり過ごす事ができない。
私も30歳。決して若くはない。
結婚したからには子どもだってほしいが正直
今は仕事でいっぱいいっぱいで子どもまでは作れない。
今は詩織がいてくれるからいいけど
彼女もいつかは自分の店をもつだろう。
そうなると明良と2人で店をやっていかなくてはいけない。
人気のある旦那さま故の贅沢な悩みでもある。

この時、明良と沙希の間には既に見えない溝が見え隠れしていた。

この時沙希30歳。そしてハルと再会するのはまだ5年も先の事です。
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