きっともう大丈夫

結婚記念日の決断

お店を始めてもうすぐ1年を迎えようとしている。
お店の経営はまずまずだが相変わらず3人が3人共忙しい。
私と詩織は店頭での仕事のほかに、お店などに出向きお花を活けたり、
その他ブライダルなどを担当している。
明良は仕入れはもちろん、ブライダルや大口の依頼など幅広く活躍している。
明良に関しては雑誌などで彼の作品が紹介されることもあり様々な仕事が舞い込んでくるので仕事に関しては順調ではある。
だが、私生活といえば順調とは言い難い。
相変わらず、イケメンのフローリストって事で雑誌に顔が載ったりするおかげ?で彼目当てに来店するお客様も多く、しかも既婚者で相手が沙希だということは沙希のネームプレートを見れば大概の人がわかる。
お客の中にはなぜか敵意をむき出しにする客もいれば
露骨に「これが奥さん?」って顔で見られたりすることもある。
それでも明良が沙希を大切に思ってくれていると信じているから頑張ってこれた。
ただ2人でゆっくり出来る時間はお店をオープンさせてからほとんどない状態で家に帰って寝るだけの生活も少なくなかった。
そんな2人とは真逆な人もいる。
詩織だ。少し前に画廊での仕事が入りお花を生けに行った時、
イラストレーターの渡辺一海さんと出会い、最近お付き合いを始めたらしい。
今が一番ラブラブなのか最近やたらピンク色のアレンジが増えたのは私の
恋のせい?
でも詩織にいい人が出来たのは本当に親友としてうれしい限り。

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