きっともう大丈夫

常連客は高校生

haluluのお客様は9割が女性です。
10時の開店から2時ごろまでの客層はほとんどが主婦。
ハーブを扱ってるお店がまだ少ないため遠方からのお客様も多い。
そういったお客様は本当にハーブが好きでへたをすると私たちスタッフよりも
知識がおありで、私たちも日々勉強。
最近ではオーナーの知り合いがハーブの講師をしていることから
うちの店でもハーブの教室を開いている。
ハーブティーやアロマテラピー、ハーブでガーデニングなどなど
これがとても好況で人気がある。
そのおかげで私たちも大忙し。
この日も教室がありドライハーブを使ったリース作りを行っていた。
生徒さんは5名。
先生と生徒さんの楽しそうな会話を背に普通に「いらっしゃいませー」と仕事をこなしてる。
教室が終了すると先生お勧めのハーブティーをお出しすることになっているのだが、いつも私たちの分まで用意してくれる。
先生と生徒さんが帰ったので多恵ちゃんと片付けをし、
ひと段落したくらいにドアに備え付けてあるベルがチリーンとなった。
この時間に来る客といえばあの子たちしかいない!
多恵ちゃんと顔を見合すと案の定
「てんちょーさーん!ちーっす」
と学ラン姿の男の子が2人、我が家の様な顔でご来店だ。
彼らの名前は前野春斗君と神谷匠(かみやたくみ)君、2人とも高校2年の17歳
近くの進学校に通ってるらしい。
で、この二人は何をしに来たのかというと・・・
教室で出されたハーブティーを試飲し、おいしかったら、グラム売りしてるドライハーブを最低量をお買い上げ。れっきとしたお客様なんです。
なんでハーブティーにはまったのかというと・・・強烈な初来店の「ハブ」がきっかけだったようです。
ハブ(蛇)じゃなかったら一体何なんだ?という疑問を私たちがわかりやすく説明したら、どんなものかもっと知りたくなって今に至る。
ただし、神谷君は前野君に無理やり付き合わされてる感が
全身から伝わってきて何だかかわいそう。
「店長。今日のハーブティーって何?」
この質問は決まって前野君だ
「今日は・・・レモングラスティーだよ。効能はね・・・血行促進、疲労回復、食欲増進、消化不良ね、レモンの香りがするし飲みやすいよ~~
レモン味ではないけどね・・」
一通り説明すると納得したようで試飲をする。
学ランを着た高校生がハーブティーを試飲する姿が店の雰囲気とミスマッチで毎回笑えるが
そこはぐっとこらえてこそ大人。笑いません。
今回のレモングラスはあまりくせが無いようで気に入ったようだ。
お買い上げ決定。
その後は1時間くらいこの子たちの相手をするのがお約束になってた。
そんな日々がなんと半年も続いているのだ。
きっとこの2人は頭もいいし飲み込み早そうだからハーブの事詳しくなってんだろうな~ってくらいにしか私は思っていなかった。
そう、前野君・・・ハルは純粋にハーブを学びたく通っているのではなく
下心からくるものだとは親友の匠以外誰も知らないのでした。
 
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