きっともう大丈夫

本気だぜ!  sideハル

「ごめん・・・気持ちは嬉しいけど付き合えない」
「・・・・好きな人とかいるの?」
「ああ・・・俺の片思いだけどね・・・」
あーめんどくせー。
急に体育館の裏に来てだとか、帰りに話があるとかって待たされて
待ってりゃーほとんど話した事のない女から、好きだの付き合って
くださいだの・・・本当にウザい。俺の何を知ってるっていうんだよ。
好きな人がいるって言えば、それはどこのクラスの女子かって質問攻めにあう。
だいたい、俺の好きな人はどこのクラスにもいねぇんだよ。
不機嫌全開で靴に履き替えてると匠が待ってた。
「今日ってあの日だろ?」
匠の言葉で
さっきまでの最悪な気分から急にテンションが上がる。
そう!今日はあの日なんだ。haluluでハーブティーを飲む日だ。
「お前、また告られて・・・断ったんだろ~。あーもったいねぇよな~
今日の子って4組の吉田ってかわいい子だろ?マジで断ったの?」
本気でもったいないって顔されても困るんだよ。
だったらお前が付き合ってやれよ・・・って言いたいところだが
匠は性格はいいんだがルックスがちょっと残念なんだよ。
あいつの良さがわかる女が現れりゃいいけどな。
って匠の事はどうでもいい。
俺はあの店長さん・・いや雪村沙希さんが好きなんだ。
一度は年上の女に憧れるって言うが、俺の場合憧れとかじゃないんだ。
ほぼ一目惚れだ。もうマジで好き。
でも俺、彼女の事ほとんど知らないんだよな。
沙希さんの年齢を聞こうとすればもう一人のスタッフの人に
女性に年齢を聞くのは失礼よ!なーんて言われ未だに年齢不詳
俺の予想では俺より5歳以上10歳未満年が離れてるとみた。
だから、おそらく22歳から27歳?
俺は彼女の事を一人の女としてみてるが、
彼女は俺をどこかのクソガキくらいにしか見ていない。
それもまた悔しい。
彼氏がいないのは会話の中でわかったからあとは俺の頑張り次第だ!
彼女が俺以外の男と話をした形跡はなさそうだから
彼女の中での身近な男といえば俺なんだけど
おれは高校生だから
おしゃれなカフェでデートとか、夜景のきれいなレストランで食事も出来ない。
今の俺のこづかいでは彼女の店の売上貢献が関の山
俺ってどんだけ残念なんだ。
そしてこんな俺に毎回付き合ってくれてる匠も残念な奴だ。

俺の目標は小遣いためて彼女とデートして告白する。
だけど今はそれも出来ないから
目標金額まではハーブティお買い上げで許してくれ

正直ハーブなんてどうでもいいんだ、知識なんかくそ食らえだ。
俺は今日も匠を連れて下心をひた隠してお店のドアを開けた
 
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