きっともう大丈夫
だけど・・・9年ぶりに再会した、かつて私を好きだと言ってくれた
男の人にどんなメールを送ればいいのか・・・
スマホを持ったまま固まってる私を詩織は暖かい眼差しで見ていた。

『こんばんは、雪村沙希です。今日は久しぶりの再会にびっくりしました。
ハル君とは9年ぶりになるのかな・・・
私はすっかりおばさんになってて幻滅しちゃったんじゃないですか?
こんな私の事を憶えていてくれてうれしかったです。ありがとう』

こんな短いメールを送るだけでわたしったら30分も悩んでしまった。

「私は絶対にすぐ返事が来ると思うよ」
詩織の自信たっぷりな言い方に思わず笑ってしまう。
「そんな訳ないない。」そういって手をブンブン振ったその時
ピロピロピロ
メール着信音がなり
私と詩織は顔を見合わせる。
マジ?はやくない?
メールを送信して3分も立ってない。
詩織の口角が一気に上がる。「ほらね」
目では早くメール読みなさいよと訴えてる。
緊張しながらタップすると
やっぱりハルからだった。
『沙希さん、メールありがとう。俺めっちゃうれしい。
でも声が聞きたいから番号教えて。』
一緒にメールを読んだ詩織が
「きゃー!ちょっとー声が聞きたいだってさー。
やだー。私の方がドキドキする―」と興奮しまくってるが
私も実はドキドキしていた。
「ねーねー。早く、早く、返信、返信。番号教えちゃえー」
戸惑いはあったが詩織の押しについつい返信してしまった。
返信して間もなくだった。
ハルからの着信
私は大きく深呼吸をして電話にでた。
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