きっともう大丈夫

戸惑い

「もしもし・・・」
『沙希さん?俺・・春斗です。』
「こんばんは・・こんなに早く電話が来るなんて思ってもいなかったから
 びっくりしちゃった」
横で詩織がスマホをスピーカーにしろとうるさいので、渋々スピーカー
ボタンを押したのでハルの声がまるぎこえになった。
『俺からしたら随分長かったですけどね』
あー。もしかしてこれって怒ってる?詩織と顔を見合わせ苦笑い。
「・・・もしかして黙って仕事辞めたこと怒ってる?」
『・・・・ムカつきましたけどね。あの時は・・・』
なに?この刺々しい感じは・・・っていっても失礼な事をしたことには
変わりないんだし。
「ハル君・・ご」
『ハルでいいですよ。』
「え?」
『ハル君なんてガキっぽいし。それと謝るのはなしね』
「え?」
『電話をしたのは、次の約束を取り付けるため。
メールだとはぐらかされて終わりになりそうだから。』
詩織が横で声のない悲鳴をあげてる。
「はぐらかすなんて・・・」
『前例があるでしょ?忘れたとは言わせないよ・・ってこれも謝るのなしね』
ハルって意外と根に持つタイプだった?
でもあの時は高校生だったし・・ここまでは見抜けなかったのかも・・・
「私に発言の権利は?」
『ない』
やっぱり怒ってるじゃん!
『会いたいんだ。会って話がしたい。本音を言えば今すぐにでも会いたいくらいだけど、今日は我慢する。だって声を聞けただけでうれしいから・・・』
何なの?命令してるかと思えばこんな甘い言葉いってくれて返事に困るじゃない。
隣で詩織は極甘で悶絶中だし?
「声聞けてって・・・・」
『俺と会ってほしい。・・・話がしたいんだ。』
詩織はイエスと言えって小声でうるさい。
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