きっともう大丈夫
「あれ?めっちゃくちゃ珍しい人がいるんだけど?」
頭の上で聞き覚えのある声が聞こえ上を向くと
「圭吾・・・」
「よっ!いらっしゃい。久しぶり~」
花屋で遭遇して以来だ・・・相変わらず軽そうなオヤジだ・・・
「どうもー。俺たちが来てるってわかってるんだったら
もっと早く声かけてくれてもいいんじゃないっすか?」
「いやいや、いい感じのお二人の邪魔はな?」
???何かこの2人知り合いっぽくない?えええ?
「あの~2人って・・・」
私のあまりの驚きに圭吾がケラケラ笑いだした。
ハルはハルで凄いでしょ~~って顔してて
「俺も高校生以来だったんだけど、ここを予約する時に
圭吾さんと話したんです。ここで再告白するからよろしくってね」
何気に凄いこと言ってるよね。
「それに・・これは俺の我儘なんだけど
沙希さんが圭吾さんを見た時の反応がみたかったんだ」
「はあ?なにそれ?私はもう圭吾の事は・・・」
と圭吾を見てハッとして言葉を途中で止めてしまった。
だが圭吾はわかってるって顔をすると
ハルの方を見て
「な?俺の言った通りだろ?」
この2人一体どんな会話してたの?
「沙希・・・」
「何?」
「俺は沙希の事を幸せに出来なかったけど、こいつの気持ちは俺と違って
半端じゃない。年の差とか言ってたら俺はどうするよ。」
私は黙って頷いた・・・ってちょっと待てよ
「ねー。今、年の差とか言ってたら俺はどうするっていったよね?」
「言った。」
ハルは何か知っているような口ぶりだった。
圭吾はというと・・・「あ!言っちゃった」って顔に書いてあるし
「ね~~圭吾あんたまさか・・・」
「・・・再婚した」
「へ?!再婚・・・した?・・したっていつ?」
「半年前・・今度は12歳年下でさ~~子どもができちゃってさ~
いい年したオヤジが父親だよ」
「あんなに俺は結婚に向いてないって言ってたのに?」
嫌みたっぷりに言ったが効力は・・・なさそう。
「そうなんだけどな・・・今は幸せだ」
圭吾は本当に幸せそうに笑った。
「沙希・・・お前も幸せになれ・・・」
圭吾の顔は昔の刺々しさがなくなっていい父親の顔になってた。
「圭吾さん!大丈夫俺が沙希さんをめちゃくちゃ幸せにするから」
また・・・ハルって言うことがストレートすぎて困る。
何だか圭吾とも仲よさそうで・・・何だか不思議な感じがした。
そんな2人を見て思った。
私は・・・もう一度幸せになってもいいのかな?
私は・・・もう一度恋をしてもいいのかな?
私は・・・ハルを好きになってもいいのかな?
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