きっともう大丈夫

「ど・・どうしたの？・・え？ハル？・・え？」
詩織は私とハルのツーショットに驚きと嬉しさを滲ませながら
玄関先で足踏みしてる。
「詩織・・・落ち着いて・・とりあえず入っていいかな？」
詩織は足踏みを止めてどうぞどうぞと招き入れてくれた。
リビングに案内され私とハルは２人でソファーに腰掛けた。
いつもは第２の我が家の様に詩織の家を行き来していたのに
今日はまるで、両親に彼氏を紹介する気分だった。
詩織はすぐに、作業場で仕事をしている一海さんを呼びに行った。
しばらくすると詩織と一海さんがリビングに現れた。
ハルは２人の姿が見えるとソファーから立ちあがった。
私もそれに反応するように立ち上がった。
なんか・・・結婚のお許しをもらうために来てるみたいだよー。
「夜分遅くに申し訳ありません。前野春斗と申します。」
ハルが深々とお辞儀をするので、私もつられてお辞儀
しちゃったじゃない！
そんな私たちを見て詩織が笑うのを一海さんが止めた。
「はじめまして、詩織の夫の渡辺一海です。・・・とりあえず座ろうか。」
詩織がキッチンに向かうとハルは、大きく深呼吸をして一海さんを見た。
「沙希さんとお付き合いすることになったのでその報告に伺いました。」
詩織はキッチンで「ハル！やったじゃん。やっぱりね～～そうよね～～」
とはしゃいでいる様だったが一海さんは違っていた。