きっともう大丈夫

小さなライバル

「こんにちは」
聞きなれた声に私は店の入り口に目を向けた。
ハルだ。
「こんにちは~~。沙希さんですよね~」
ん!私より先にかなでちゃんが声をかけるなんて
大人げないのはわかっているが、なんか悔しい。
「沙希」
「ハル。・・・・ちょっ待ってて、あとラッピングするだけで終わるから」
私は出来上がったアレンジをラッピングした。
ラッピングを終えると、雄太に見つからないようにエプロンを外し、バッグを持ってさ~これからデートと心弾ませハルの元へ。
「おまたせ。」
「じゃあ行こうか」
私は頷き、詩織に「じゃあー後よろしく」
そう言って店を出ようとした。

その時だった。
「さーたん!その男だれ?」
その声に私たちの動きがぴたりと止まった。
恐る恐る振り返ると
取り逃がして焦った顔の一海さんとその前に仁王立ちしてる
雄太の姿があった。
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