きっともう大丈夫

もう離してやんない  sideハル

俺は今寝室のベッドの上で胡坐をかいている。
本当はこのままの流れで押し倒したかったのだが
どうしてもシャワーだけは譲れないと言い張る沙希に根負けして
渋々シャワーを浴び、沙希が来るのを待っている。
9年は長かった。
正直今だって信じられないくらいだ。
沙希さんから沙希と呼べるようになり
俺のキスで沙希がうっとりしてる姿などあの頃の俺には想像できなかった。
9年は無駄じゃなかったな。
神様ありがとう~。
いや、これは俺の努力の賜物だ。
しかし・・・遅いぞ!俺はダッシュでシャワーを浴びたのに
沙希なにをゆっくりしてるんだ!
あーだめだ俺、気持ちが高校生に戻ってる。
俺・・・やさしくできるか心配になってきた・・・
そう思った時だった。
「ハル・・・」
寝室の入り口で恥ずかしそうに立ってる沙希がいた。
「こっちおいで」
手招きをすると下を向いたまま俺の前まで来た。
ベッドに腰掛ける沙希を後ろから抱きしめ、肩に顎を乗せる。
俺・・・ここ好きだわ。
沙希の髪の毛から俺と同じシャンプーの匂いがした。
ただそれだけで幸せな気分になる。
俺はそのまま沙希の耳たぶを甘噛みした。
沙希の身体がビクッと動く。
俺が何かをする度に沙希はそれに反応する。
かわいい・・・
今でこんなんだったら最後はおれどうなっちゃうんだろう
沙希を壊してしまうのか?
「このまま座ってるとなにも出来ないからもっとこっちにおいで」
俺は沙希から離れるとベッドの真ん中へと導いた。
「これ・・・邪魔だから脱がすよ」
俺は沙希が着ていたTシャツを脱がした。
俺の理性がぶっ飛んだ。
気がつくと俺は沙希を押し倒し倒していた
「ハル!恥ずかしい・・・」
「沙希・・・沙希・・・」
もう言葉などでは言い表せないほど愛おしさが溢れて来て
やさしくできる自信など無くなっていた。
沙希の身体は柔らかくてずっと触っていたくなるほどだった。
最初は恥ずかしがっていた沙希だが
俺の動きが激しくなるにつれ沙希の顔は女の顔へと変わっていった。
だが沙希を女にしたのが元旦那だと思うと
俺は嫉妬で狂いそうになる。
あーなんだよ。くそっ!
こんなにいい反応するならもっと早く沙希を見つけ出して
俺でいっぱいにしたかったと後悔する。
「いや・・・恥ずかしい・・お願い・・・やめて」
これが辞められるもんか
こんなにもいやらしくかわいい沙希が堪らなく愛おしい
沙希・・・愛してる・・・沙希の髪の毛をゆっくりと撫でる。
沙希は幸せそうな顔で俺にすり寄ってくる。
もう・・・絶対に離さない。
っていうか離せないよね・・・こんないい女は・・・
9年分の思いは明け方まで沙希を寝かすことはなかった。
< 90 / 137 >

この作品をシェア

pagetop