きっともう大丈夫

幸福の裏側で・・・

「・・・で?せっかくの土曜日だけど今日は何処行く?」
久しぶりの土曜日デートに私の心はうきうきしていた。
「とりあえず・・・・腹ごしらえでしょ~」
のハルの一言で私たちはうどん屋に行くことにした。
うどん屋とは渋い選択かと思ったのだが
ハルが連れてきてくれたうどん屋は久々のヒットだった。
私の食べた鳥南蛮うどんはざっくりに切られた葱と鳥もも肉に白だしの
バランスがもう絶妙で、しかも麺はもちもちで讃岐うどんに近い触感だった。
「おいし~~~。ねぇこのお店いつ知ったの?」
私の反応が予想以上によかったのかハルは終始笑顔だった。
「大学生のころかな?俺の友達がここでバイトしてて・・って・・・
そう!沙希憶えてないかな?匠だよ!いつも一緒にhaluluで
ハーブ買ってた」
顔ははっきりとは憶えていないが、ハルといつも一緒にいた子は憶えていた。
「うん。顔はちょっと忘れちゃったけど匠君は憶えてる・・・
彼がここでバイトしてたんだ~」
「そうなんだ。おれもここの鳥南蛮うどんが大好きでね。」
「匠君とは会ってるの?」
ハルはうどんのつゆを飲み干しすと器を置いた。
「元気だよ。今でもよく飲みに行くんだけど・・・ってか、あいつ結婚して
もう子どももいて、父親やってんだよ。」
「えええええ!」
ハルは私の反応に大笑いした。
「匠が沙希に会いたがっていたから今度会わせるよ」
「うん」
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