沢山の気持ちを君に伝えます!!
短距離…スプリンターのキミ。
「…先輩!今日もかっこいいですねぇ♡」
媚を売る女の子は可愛らしく笑う。
「…まぁ、氷のお姫様の為に存在してるからね」
俺はニコリと笑って、その女の子を指差す。
その先には、朝から何本ものスターティングブロックで練習している女の子。
サッと前に出た身体。
しなやかな足取り…。
俺は…その姿を見つめて、微笑んだ。
「…菅原!お疲れ!」
俺は女の子たちを置いてけぼりにして、短距離スプリンターの菅原天空に近寄る。
「…おはようございます」
流石は『氷のお姫様』と呼ばれてるだけある。
起伏の浮かばない無表情な顔。
でも、俺は分かるよ?
一生懸命、笑う努力をしていることに…。
俺は…菅原に笑顔を向ける。
「…目を細めて口の端を上げるだけでも笑ってる様に見えるよ?」
「…な、な、なんで、先輩」
少し顔を火照らせながらあたしを見る菅原。
「…笑う努力をしてるの分かるよ?頑張ってるじゃん?」
俺は菅原の頭をポンポンと撫でる。
「…笑えてますか?」
「…難しい所だね」
俺は苦笑い。
すると、あからさまに凹む菅原。
嗚呼、俺今超幸せ!!
何この可愛さ!
あり得ない!