不意打ち男子のずるいとこ





そのままボーッと見つめていると。



「俺の話したよな、ここで」


遠くを見つめながら、でも、確かめるような口調の守谷がうつった。


「...うん」


「ネイは...どう思った?」



“ ネイ ”

守谷の言ったその二文字に心臓が飛び跳ねる。



でも、今はそんなことにときめいてるわけにはいないよね。

.....ちゃんと、守谷の話を聞かなきゃ。


聞きたい。


そんな思いが、胸を支配した。



「俺が、風使って知ってどう思った?」


どきりとする。

少し切なそうな守谷が不意にこちらを向いたから。



「どうっ.....て...びっくりはした...よ」


言葉がつまる。

守谷と目を合わせて話すことに緊張して。



「.....そっか」


優しく、でも切なそうに笑う彼に胸が締め付けられるのは...どうして?







< 183 / 208 >

この作品をシェア

pagetop