不意打ち男子のずるいとこ
「でもね、
私は、守谷は本当は優しくて、温かいところ知ってたから。
不良だろうがヤンキーだろうが...風使だろうが...関係ない。
私は守谷を好きになってた」
自分で言ってて、少し頬が赤くなった気がした。
「...ん」
目が合った、と思ったらいつのまにか逸らされていた。
こっちからは見えない、反対側に顔を向けているから守谷がどんな表情をしているのか分からない。
分からないけど、不思議と心が温かくなった。
「そういうとこ.....好き」
反対側を向いたまま、言われた言葉に目を見開いた。
「ネイはいつもそう、
人を見た目とか噂で決めつけないんだ。
その人と関わって、それから決めるんだろ?
.....だから、ずっと好きだった」
えっ
そう声とともに顔を上げると、ふわりと抱きしめられた。
「傷つけてごめん...
大切だったから傷つけたくなかったんだ。
自分が風使だからって理由で、お前を危ない目に合わせたくなかった...。
お前を守りぬく自信がなかった...」
知らないうちに涙がこぼれだす。
そんな....そんなこと思ってたなんて。
「でも俺、間違ってた。
お前を守る自信がないから関わらないようにしてたのに、もう諦めようって決めたのに、
お前への気持ちは日々強くなって。
文化祭の日も...体が勝手に動いて。
イベントも...お前が金田に告られんの見るの辛くて見れなかった」
ドクンッとさっきよりも胸が大きく揺らいだ。