不意打ち男子のずるいとこ





「いただきます」



手をあわせたあとに、スプーンでふわふわの卵をすくう。




お姉ちゃんはすでに食べはじめている。





・・・ちょっとくらい待っててくれてもいいのに。





なんて思ったけどオムライスを口にした瞬間、そんなこと忘れていた。







「やっぱりおいしいよ!!


さすがお姉ちゃん」







ほんとにお姉ちゃんのオムライスはおいしいんです。




おいしすぎて困るくらい。






「でしょ」




自慢げに私を見るお姉ちゃんだけど、どこか嬉しそう。





でもハッとした顔になって、





「ハヤトと7時から約束してるんだった」






と時計をチラ見。





って、ええ!!!



今、6時半ですけど?






目の前にはパジャマ姿のお姉ちゃん。





メイクだってしてないんじゃないの?





もちろん髪の毛もひとつ結びしたまま。







「急がなくていいの?!」






時間に間に合わなかったら大変!!









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