犬との童話な毎日

・・・・・・
・・・・・・

見知らぬ親子に怒られたあの日から1週間。

あの時。
私が望まないから、赤ちゃんは還たがっている、って。
もう会えないんだよ、って。
突然年下の子に言われた。

そして次の日。
その子の母親が来て、赤ちゃんが要るなら要る、要らないなら要らない、はっきりしなさい、って言われた。
子供は責任感や罪悪感で産むもんじゃない、って。
産む方が残酷なこともある、って。
言い方は非常によろしくないな、ってぼんやり思ってたのを覚えてる。

あの頃、私にはこのお腹に宿った命を切り捨てることも。
だからと言って愛する自信も無いまま産むのも怖くて。
自然とお空に還ってしまえば、なんて卑怯で残酷なことを考えていた。


< 118 / 311 >

この作品をシェア

pagetop