犬との童話な毎日
画面の中で日本刀同士がぶつかり合う。
悪者は手下に守られながら、みっともなく逃げ惑う。
『小娘が産まれるよりも遥かに昔だ』
「じゃあ50年とか?」
『もっとだ』
「……戦争の時は?」
『まだまだ』
「えー、じゃあ100年、とか?」
教えてよ、と重ねると黒曜が顔だけで振り返った。
またぱたり、と床に尻尾が当たる。
「えっ、まだまだ?」
当然、と目が笑う。
「んー、でも200……年はいってない、よね?」
黒曜の濡れた黒い瞳がじ、っとあたしの目を見つめる。
…………。
え?ま、まぢですか?
……絶句、ってこういう事を言うんだよね、きっと。
「……えっと……ごめん」
ソファの背もたれに背中を預けながら、黒曜の訝しげに細められた目を見つめる。