犬との童話な毎日

おもむろに謝られた意味が分からない、と濡れた漆黒の目がそう言っている。

「……だってあんた、相当おじいちゃんなんじゃん?知らなくてごめんね、今度からもう少しだけ優しくしてあげないとね」

複雑な表情をした後、黙れ、と怒られた夕方のリビング。
テレビでは、主人公が悪党の親玉を切り捨てている所だった。

む、無念……ぱたり。






そういえば、と思ったのはその日のお風呂の中でだった。

「ねぇ、ねぇ、そこに居る?」

家族に聞こえ無い様に、出来るだけ抑えた声で黒曜を呼ぶ。


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