犬との童話な毎日

隣から感じる視線に、ふるふると頭を横に振った。

「いえ、何でもありません」

帰路の途中。
まだ明るい時間なのに、この路地裏は少しだけ薄暗い。

「もう時期終わる、か」

隣で呟くのは、いつもゆったりと歩くあの犬、では無く。
見慣れない制服姿の男の人。

その見上げている視線の先を追い掛ける。

「……それってこの桜のこと?まだまだじゃない?」

心の何処かでは、この人は本当は黒曜じゃなくて詐欺師では?とか。
すべてはあたしの妄想では?とか。

まだまだ混乱していて、整理出来ていない。

でも、ほぼ順応している自分。

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