犬との童話な毎日
「……何が?」
あたしの理解力が、とか。
ましてや読解力が、とかの問題じゃないよね。
何も察せないよこれじゃ。
半身を起こしたあたしの目の前を、黒曜の尻尾がふわり。
ゆっくり動いたかと思うと、ぱたり、とベッドシーツを撫でるように垂れた。
そしてふわり、と浮いてまたぱたり。
ふわり、ぱたり。
『…………』
目線は何故かあたし。
埃立つからヤメてくれないカナ。
心の中で黒曜に注意するけれど、声に出す勇気はなくて。
とりあえず胡座をかいて漆黒の目を見つめ返す。