犬との童話な毎日
またそうやって。
「あのさ、あんたが何を言いたいのか、悪いんだけど良く分かんない」
何を聞きたいのか、何を知りたいのか。
言葉が少な過ぎるよ。
黒曜はそれには答えずに、あたしにゆっくりと歩み寄って来た。
ベッドシーツが黒曜の脚に浅く沈むのをどこかぼんやりと、不思議だな、と眺めてしまう。
壁とか人とかは擦り抜けるのに、と。
あたしの真ん前に来ると、前脚がとん、と胸元を軽く押した。
あ、触った。