犬との童話な毎日

ごめんね、不審人物で。

バスケ部の長瀬くんが、子犬の前にしゃがみ込む。

「……八坂って犬駄目なの?お、そんな甘えても今俺エサ持ってねーよ」

「うん、天敵レベル」

すりすりと、ぬいぐるみを咥えながらも長瀬くんの手に甘える姿はきっと可愛いんだろう。

でも小さな頃から避けて生きてきたから。
今更、うわ〜可愛いわんちゃんだねぇ、お〜よちよち、なんて思えないんだよ!!

「その子犬、知ってるの?」

少女漫画的な爽やかさで子犬を撫でくり回している長瀬くんに問い掛けると、知らないの?と返って来た。

「何ヶ月か前から出入りしてるらしくてさ。奥ヤンが餌付けしてるから、もう実質飼ってるみたいなもんだよな」
< 281 / 311 >

この作品をシェア

pagetop