犬との童話な毎日

にや、と小学生の男の子みたいな表情で高城が振り返る。

「間に合わなかったら上手く言っといて」

「ありがとう」

高城は意外と友達思いの良い奴だ。
しょうもないことばかりしてる癖に、あたし達が本当に嫌がることはしない。

女友達にこだわる気にはなれないのは、なんだかんだ言っても二人が好きだからだろうな。

「あ、ざんねーん。可愛い髪型にしてあげようと思ったのに時間切れだぁ」

鳴り響いたチャイムの音に、悠が唇を尖らせた。

自分の席へと足を向けかけて、あ、とあたしを振り返る。

「でもさあ、六花」

< 296 / 311 >

この作品をシェア

pagetop