犬との童話な毎日
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黒曜を連れて学校で一日過ごしてみて。
予想はしていたけれど、黒曜の事に気付く人は居なかった。
悠と高城は、普段のあたしと何か違う、とは直ぐに気付いたみたいだけれど。
当たり前だよね。
教室の中を興味深げにぐるぐる回っては、あたしに話し掛けて来るものだから、うっかり返事をしてしまう事もしばしば。
「つ……疲れた……」
『良い若者が何を言っている。
しゃきっとしろ』
やっと迎えた放課後。
中身の大して入っていないはずのスクバすらも重たく感じて、足を引き摺る様にして歩く。
とてとて、と隣りを歩く黒曜を横目で見る。
『その様な細っこい目で睨むな』
「……うるさいな」