犬との童話な毎日

黒曜はもちろん知らないだろうけど、今歩いている道はいつもは通らない道だ。

昨日、大好きな従姉妹を見舞った産婦人科の脇道に入る。
しばらく歩くと、産婦人科の裏に沿う様にして石造りの塀が姿を表した。
所々に覗き穴や、裏口なのか瓦の屋根がついた小さな門が全開になっていた。

好奇心からちらり、と門から覗き見ると手前には比較的、洋風な新し目の住居があって、その奥に母屋の様な立派なお屋敷。
庭には所々、整えられた形の松の木や、名前も知らない木や、色とりどりの花が所々さり気なく配置されていて。

「うわぁー、すご……」

お金持ちのお家だぁ。
お父さんとお母さんには悪いけど、家とは大違い。
この敷地、一体どれだけ広いんだろう。

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