犬との童話な毎日

「あたし犬が寄って来たら多分、蹴飛ばしちゃうかも」
「良く言うよー、六花昔から犬が寄って来ると固まっちゃうじゃん」
「へー、お前も意外と可愛いとこあんだな」

あたしと悠の後ろを金魚の糞みたく、着いて来ていた高城の、失礼な言葉。

「うっさいな。しょうがないの、走って逃げたら逆に追い掛けて来るかも、って思ったら動けなくなっちゃうんだもん」

高城を横目で睨む様に見ながら、体育館の出入り口の階段を降りる。
あたし達の教室がある方に足を向けると、その先で黒曜がコンクリートにちょこん、とお座りをしていた。

「あたし、絶対犬に近寄らない」

黒曜の黒く濡れた目を見ながら、 宣言してみれば。
黒曜が、ふん、と鼻で笑った気がした。


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