犬との童話な毎日

……少しイラッ。
こら化け犬、聞いてんのか。
あんたの事も含まれてるんだからね、分かってる?
今すぐ空気読んで、成仏しろ、成仏。

黒曜を前にしては、とてもとても声に出して言えない内容を、心の中で吐き捨てる。
強い視線で真っ直ぐに黒曜を見ていたのに、少し垂れた耳が憎たらしい。
あたしの事情なんて黒曜には興味無い、って感じ。
ましてやあたしの気持ちなんて、考えた事も無いんじゃないかな。

……まぁ、黒曜は人間じゃないから。
犬だからそこんとこ汲み取ってよね、ってのは無理な話しなの?

……はーーー。

『生臭い息など吐くな、うっとおしい』

嘘つくなっ、あたしの吐息はフリスクの香りのはずだもんっ。

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