犬との童話な毎日
そのどの場面でも、あたし以外の人間が黒曜に反応している所を見た事が無い。
それを頭の中で一人再確認していたら、ふと黒曜に聞きたくなった。
前から何となく気になっていた事。
些細な事。
「……そういえば、あんたっておじさん好き?」
『……何故そうなる』
「気付けばおじさんの近くに居たりするから何となくそうなのかな、って。え?違うの?」
窓辺で夜気を吸い込むかの様に、空を見上げていた黒曜が、溜め息。
呆れた様に、脱力した様に。
そしてゆっくりと夜空に背を向けたかと思うと、ベッドに腰掛けているあたしに向き直った。
じー、っと黒く濡れた目が、あたしの目を射抜く。
何かを探る様な光がその目に宿っていた。