雪ノ空【完】


「じゃ、行ってくる!ちゃんと休めよ!」

「ん、わかった」

トラが出ていくのを見て、部屋へ向かった。

「薬飲んで横になっとこ…」

薬を飲んで大人しく休むことにした。

早く治して学校行きたいし。

うわ、眠い……。




「………き………ゆ……雪!!」

「ん……あ、恋夜…?何でここに……」

「……暇だったから来た。悪いか」

「ふふ、悪くないよ。来てくれてありがと…」

自然と笑みがこぼれる。

「…っ//// た、体調はどうだ…」

「まだ熱っぽいかな…」

「そうか。……雪、何かしてほしいことあるか?」

「え…?」

「いや、風邪引いてるから特別だ」

「……何でもいいの?」

「あぁ」

「………手、握って?」

「…………それだけでいいのか?」

「うん、それだけ。だめ?」

「………別にいい」

そういって手を握ってくれる。

もう、これで最後にするから。

恋夜に触れるのはもう最後にするから。











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