風の詩ーー君に届け
モニターに映し出された波形と幾つかの数字、時々耳障りな機械音が鳴っていた。



手首から入れられた点滴の針が、痛々しかった。



郁子は1つ1つ鮮明に思い出す。




郁子が病室を出て、廊下を抜けエレベーターへ向かう途中。

待合室のソファーにポツリ、詩月の母親が座っていた。



声をかけていいものか否かと郁子が躊躇っていると、母親の方が郁子に気付き話しかけた。



「心配をかけてしまって」

郁子は母親の瞳が詩月の瞳の色と似ていると思ったが、詩月の瞳の色の方が、濃いように思った。

話し方が静かで穏やかだと感じた。



「あの子ね……春からずっと、学業との両立で無理をしてたの」



郁子に、ソファーに座るよう促し静かに話し始める。



「あなた、あの子が去年の夏……手術したのは知っているのよね?」



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