風の詩ーー君に届け
この音色……。
圧倒的なのに、何故こうも合わせ易いの?
妹尾はオケで弾いている時には、気づかなかった詩月の音色に戸惑う。
この子……わたしのヴァイオリンを引き立ててる?
わたしの弾き方の癖まで把握している……。
妹尾が目を見開き、詩月を見据える。
指盤を叩く、妹尾の指がぶれる。
その僅かなミスさえも見逃さずに支える詩月の音。
何て技量なの? 妹尾の目には脅えさえ浮かんでいる。
「余計なことをしないで」
妹尾が演奏を中断する。
「あのさ、デュエットなんだけど」
「はあ?……」
「二重奏だよ。
主張しあってどうするのさ。
協調しあわなきゃ、二重奏にならないだろ」
「あなた……ふざけているの?」
「本気だけど……あのさ。
そんな悲痛な顔して曲を奏でて、楽しい?」
圧倒的なのに、何故こうも合わせ易いの?
妹尾はオケで弾いている時には、気づかなかった詩月の音色に戸惑う。
この子……わたしのヴァイオリンを引き立ててる?
わたしの弾き方の癖まで把握している……。
妹尾が目を見開き、詩月を見据える。
指盤を叩く、妹尾の指がぶれる。
その僅かなミスさえも見逃さずに支える詩月の音。
何て技量なの? 妹尾の目には脅えさえ浮かんでいる。
「余計なことをしないで」
妹尾が演奏を中断する。
「あのさ、デュエットなんだけど」
「はあ?……」
「二重奏だよ。
主張しあってどうするのさ。
協調しあわなきゃ、二重奏にならないだろ」
「あなた……ふざけているの?」
「本気だけど……あのさ。
そんな悲痛な顔して曲を奏でて、楽しい?」