風の詩ーー君に届け
10章/オルフェウスとガダニーニ
「ローレライについて?」
「ああ」
「何でまた急に……」
喫茶店モルダウ。
理久は安坂と向い合わせ、「ローレライ」について訊ねている。
「周桜に何か関係が?」
理久はゆっくりと息を吐く。
「動画でも確か『ローレライ』がどうのこうのと、周桜自身が言ってなかったか?」
安坂は言いながら、YOU TUBEの画像を開き、理久側に向けて再生する。
画像を見つめる理久の表情が、しだいに険しくなっていく。
「……あの莫迦」
捨て台詞のように呟く。
「どうした? 頼りないが凛々しい姿じゃないか」
「どこがだよ、……こんな辛そうな顔して」
「はあ、いつもと変わらな……」
「詩月は、こんな笑い方をしない」
「ああ」
「何でまた急に……」
喫茶店モルダウ。
理久は安坂と向い合わせ、「ローレライ」について訊ねている。
「周桜に何か関係が?」
理久はゆっくりと息を吐く。
「動画でも確か『ローレライ』がどうのこうのと、周桜自身が言ってなかったか?」
安坂は言いながら、YOU TUBEの画像を開き、理久側に向けて再生する。
画像を見つめる理久の表情が、しだいに険しくなっていく。
「……あの莫迦」
捨て台詞のように呟く。
「どうした? 頼りないが凛々しい姿じゃないか」
「どこがだよ、……こんな辛そうな顔して」
「はあ、いつもと変わらな……」
「詩月は、こんな笑い方をしない」