風の詩ーー君に届け
過酷な環境や恵まれた環境、作曲者の生きた時代、背景は様々だ。




彼らの遺した譜面、作品の持ち味を損なわず、どう解釈し自分なりの色に染めていくか、どう咲かせるか。




僕は父の演奏を通し、リリィやアラン、安坂さん、Nフィルを通し、学んでいるような気がする。




ショパンの演奏で悩み苦しんだ数年間、辛かったけれど決して無駄ではなかった。



そして今、経験していることの全ては、きっと無駄ではないと曲を弾くたびに思う。





雨が打ちつける窓辺。



鉢植えの紫陽花を眺めながら、笑っていいのか泣いていいのかわからない。




ただ、窓硝子ごしに見える雨の景色を綺麗だと感じた。




窓辺に咲く鉢植えの紫陽花を綺麗だと感じた。




そして、薄紅色の頬をし微笑む顔を、耳に響く明るい声を心地よいと感じた。


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