風の詩ーー君に届け
16章/Liberte――風は囁く
7月中旬。
サントリーホール、Nフィル公演。


詩月のヴァイオリンの音色が、オーケストラの演奏を導く。



会場いっぱいに溢れる煌めく音がホルストの「惑星」を奏でる。



伸びやかに澄んだヴァイオリンの音色が、オーケストラを優しく支える。



星が降るように繊細なヴァイオリンの音色とオーケストラの音色が調和する。



曲が最高潮に達すると、凄烈な星の流れが現れたような気がし、観客は舞台に目を凝らす。



妥協を許さないほど、研ぎ澄まされた清新な音色が、会場を包み込む。



怖いほどの解放感と心地好さが観客に、会場にいることさえも忘れさせる。



漆黒の闇の中に浮かび上がる満天の星空。


惑星「Jupiter」が煌々と輝き、数多の星の光に包まれているような感覚。



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