シンデレラガール
あたしがドアを開けなくても、合鍵を持っているヒロちゃんは部屋の中へと入ってくる。

合鍵を持ってるんだから、わざわざチャイムを鳴らす必要ないのに、、、

なぜか毎回、律儀にチャイムを鳴らす。


「わざわざ、鳴らさなくても良いのに。チャイム」


あたしはいつものように、部屋の中に入って来たヒロちゃんに言う。


「だって、付いてるし」


なんて、理由にならない言い訳をする。


「準備出来てる?」

「うん。大丈夫」


ヒロちゃんの言葉に返事をし、あたしは鞄を手に取る。


「車は下に用意してあるから行こう」


そして、部屋を後にした。

車に揺られ、数十分後。

現場に着き、車が止まる。

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