【完】お隣さんは泥棒さん!?
「コ、コイツ新人なもんで…!カリンさんのこと知らないんですよ…!ほら、お前も頭さげろ馬鹿が!」
「ええっなんなんっすか!?この人偉い人か何かだったんっすか!?」
「ごちゃごちゃ言う前に頭下げろ!!!」
醜いものがあたしの目の前で喋ってる。
最悪。
最近は声かけもなくなってこんな感情にもならなかったんだけどなぁ。
「あんたの店、終わりだね」
あたしの言葉に店長らしき人は余計に慌てはじめる。
どうにかしていただけないでしょうか。
お金なら支払います。
なんでもします。
そんな上っ面な言葉ばかり。
「はいはい」
どうしてあたしにこんなにもへこへこするのか。
それはあたしの人脈の広さにある。
そして、あたしのバックには神田組がいるのが何よりだ。
神田組とはここらへん一帯を仕切っているいわば暴力団、ヤクザなんて呼ばれてる人たち。
神田組の組長、神田修二郎-カンダシュウジロウ-と清香ママは恋人同士で、あたしたちに何かあるといつも助けてくれる。
こんなあたしにまで手を差し伸べてくれる…。
「もしもし、シュウちゃん?桃色クラブってお店この街にいらないと思うの。ヨロシク」
ブランドもののカバンから派手なスマホを取り出し、シュウちゃんに話をつける。
このあたしの一言でそのお店は潰れてしまう。