【完】お隣さんは泥棒さん!?
『分かったよ。カリン』
「ありがとシュウちゃん!」
『代わりに今度店貸し切りにしたいってママに言っといてくれ』
「はーい♪」
ちょっと前まではこれが日常茶飯事に繰り広げられてきたけど、最近は落ち付いていて…。
久しぶりにお店を潰したなぁって感じ。
別に悪気なんてない。
でも、この日は少しだけ様子が違った。
「…お前はただの小娘のくせに!!後ろに神田組があるからってなんなんだよ!一からやり始めた大切な店を!!よくもっ!!」
いつもはしょんぼりしながらお店の中に入っていくはずだったのに。
今日はむしろあたしに襲いかかってきた。
「キャッ!」
「今だけ女らしい声出しやがって!今日お前をここの店員にして大儲けしてやる!ほら!きやがれ!」
「離しなさいよ!!」
周りで見てる人たちは何故か何事もなかったかのように去っていく。
誰もあたしを助けようとはしてくれない。
-嫌ダ!!離シテ!!オ父サン!!-
過去の嫌な記憶が蘇る。
強く握られた右手首への圧迫が余計に思い出させる。