【完】お隣さんは泥棒さん!?
結局あたしは家に戻ろうとも思えず、近くのコンビニで雑誌を立ち読みしていた。
…彼はどうなったのか。
そんなことばかりが頭によぎる。
だから雑誌の内容も入ってこない。
「…ふぅ」
コンビニの時計を見ると深夜3時。
そういえばこの時間帯はおばけが出るから~とか言って怖がってた時期があったなぁ。
…そんな時はいつもぬいぐるみを抱いて寝ていた。
誰もあたしを抱きしめてくれる人なんていなかった。
「やっぱ帰ろう」
あれから1時間は経ってるし、さすがにあの彼も解放されただろうから…。
せめて名前聞いておけばよかったのかもしれない。
「って、いつまでも考えないのあたし!」
あたしは雑誌を元の場所に置いて、コンビニを出た。
自分部屋のカギを右手でくるくる回しながら夜道を歩く。
あたしの部屋は超豪華マンション。
セキュリティも万全で、部屋も広い。
でもそれが逆に一人のあたしを孤独にさせる。
…足取りも早くマンションに着いたあたしは警備の高い玄関を通り抜けて、自分の部屋の階までエレベーターでのぼってゆく。