翻弄される男

――先輩……本当にごめんなさい……。



先輩を玄関の外に待たせ、慌ててバスルームへの通路を確保すると、そっと玄関のドアを開け声をかけた。

「お、お待たせしました!ど、どうぞ……」

「じゃあ、お邪魔します」


そう、言って不意に立ち止まる先輩。


やっぱり、気になりますよね……。

大丈夫です!先輩がシャワーを浴びている間に、完全に処理しときますから!


「あ、あの、先輩……さ、先にシャワーを……」

「……大丈夫なのか?」

「え?」

「まさか、最近泥棒に入られたとか?」

ど、どうしよう……!なんか、本気で心配されてるみたい。

「ひなの?……一人じゃ怖くて、だから俺を……」

「お、お、弟です!」

「……弟?」

「はい!ま、全くです!いい歳してこんなに散らかしてーあははは……」

先輩は、瞳を大きくしていたが、「そうか」と、安堵したように溜め息をつくと、ようやく靴を脱ぎ始めた。


何とか、第一関門突破……。



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