翻弄される男
「先輩、鞄預かるので。先にシャワーを……」
「いや、先にひなのが入っておいで」
「え!?」
そ、それだと、私の片付けタイムが……!!
困惑する私を尻目に、先輩は、私の腕からタオルを手にすると、ふわりと私の頭に被せ、優しく拭き始めた。
「せ、先輩……」
「ほら。俺よりずぶ濡れ。風邪ひくから」
そ、そんな優しい声で、微笑まれたら……
忘れた筈の動悸が帰ってきてしまいます!
で、でも、これは、
いくら先輩でも、譲れない。
「わ、私は大丈夫です!バカは風邪引かないんですから!そ、それに、やっぱり、お客様が先です!私は着替えあるけど、先輩は無いですし!」
思わず鼻息を荒げながら言ってしまった!
そんな必死な私の姿に、先輩はたまらず声をあげて笑い出した。
「何でそんな必死なんだよ。わかったよ、じゃあ、一緒に入るか」
「はい!」
あ〜良かった……
わかってくれた……
……??
え、
い、今なんて!?