翻弄される男
「せ、先輩?あの……眠れないんですけど……」
シャワーを浴びながら、いちゃこらした後、
ベッドで先輩に寝て貰う筈が……
先輩が床で寝ると言い出し……。
散らかり放題の床に、とても先輩を寝かせられず、ベッドで二人で眠る事になったのだけれど……。
私が落ちないようにと、壁側に私を寝かせ、抱きしめられている状態で……。
え、
二重ロックのつもり?
でも、緊張して、余計に眠れないのですが……。
「もう寝なさい」
そう言って、先輩が顔を肩に埋める。
「!!」
いやいや……
一層眠れなくなりました!
え、嫌がらせですか?
えっと……こんな時、普通は、どうするんだっけ?
こ、これは、もはや、ひつじを数えるしかないと!?
「ひつじが一匹でしょ?……ひつじが二匹でしょ?……ひつじが三匹でしょ?……」
「フフフ……ひなの、数え方独特。俺も手伝おうか?」
「だって……せ、先輩に抱きしめられてると、は、恥ずかしくて、ど、動悸と、息切れが……」
「おばあさんかよ」
そう笑いながら、優しい声が聞こえた。
「そんなに眠れないなら、さっきの続きする?」
「せ、先輩!?酔ってます?」
「あー酔ってるかも、ね」
「え、先輩、ビール呑んでないのに!?」
(完)

