翻弄される男

い、言うんじゃなかった……


はい!なんて、


何で返事をしてしまったんだろう……


せ、先輩と、一緒にシャワーなんて!

は、は、ハードル高すぎます!!

脈拍爆上がりです!

湯船にお湯はってないし、逃げ場がないじゃないですか!?


「ひなの?動き止まってるけど」

「え!?」

脱衣場で二人きり。

お互い濡れた衣類を脱ぎ始めたんだけど、とても直視出来なくて、私は先輩に背を向けている。


「せ、先輩はもう脱いだの……?」

「確かめてみれば?」

いじわるそうに、ニヤけた口調で先輩が言う。


先輩のいじわる……!!


振り向ける訳ないです!!


……だって、


心臓が、

うるさいくらい鳴ってて……


顔が……全身が熱くて……。


「わかったよ。俺は後向いてるから。ひなのが準備出来たら、俺の手を握って」

そう聞こえて、すぐに背を向ける気配がした。


「先輩……」



そうだ……。


先輩は、いつだって、私の歩幅に合わせてくれる。


初めて私が先輩に声をかけて、ホテルに行きたいと行った時も。


私が初めて先輩と結ばれた時も。



全部、先輩は私の気持ちを一番に考えてくれていた。



恥ずかしがってばかりじゃ、ダメだよね。


私だって、オトナの女になるんだから。



私は、動悸を抑えながら、先輩の背中に抱きついた。


「っ!?」

「秀一さん……大好き」


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