HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
恭介はアルバムを抱えて、裏庭に出た。




静かに雪が降る夜。



恭介はアルバムを地面に投げつけて辺りに散らばった枯れ葉を上に乗せて、ジッポを擦り火を点けた。



「き、恭介っ!!?」




「俺の中から…芽衣子の姿は消えてなかったんだ…だから、麻衣子のコトを…」



恭介は私に申し訳なさそうに吐き捨てながら燃えていくアルバムを見つめる。




粉雪の舞う空に灰色の煙が立ち上っていく。



芽衣子さんへの想いを完全に断ち切ろうとする恭介。




柾史の子かもしれないマー君を私と一緒に育てようと決意してくれるのは嬉しいけど。





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