俺は、負けず嫌いで鉄面皮だから
余はこういう人間で、何が悪いのでしょう。

余は、名が即ち王だ。

冷夏が教壇に立ち上がったとたん、思わずこの一句が浮かんできて、目に入ったようだった。決して、またこの文句が見えるとは思えなかったが、それもそのはず、失敗というより、「死敗」という方がもっとふさわしい。

そうだ、死んでも納得は一部できない失敗だった。それほどの屈辱を覚えていた。あの二年生たちから受けられた屈辱を。

56点。審査員は6人の二年生で、もう三年生の生活の大半を送った冷夏の作ったビデオに対して、無関心どころか、悪意でも含めたかと思われるぐらいの点数をつけたのだ。

これも、ギャップとのことか、と教室に座っている冷夏は平気でちょっと図々しく見えた顔をして考えていた、くたびれずにいるのを誰かともかく、まずはそうと見せていた。 下向いて、携帯を打ち込み続けた。

「静子、慰めてください。(´;︵;`)」

「?」と静子は返事した。

「今コンテスト、56点(T^T)」

「審査員は誰」

「二年生たち、一番は一年生で、私点数最低になった」

「三年生参加したのは冷夏だけだったね。」

「うん」

「なんで行っちゃったの、行かなかったら面倒くさくないのに」

「参加しない場合うちは減点だと」

「お疲れ。奴らをきちんと再教育すべきだ、百合ちゃんに頼もう」

百合だってこの「奴ら」に手を焼いているのに、静は知らないから。と思って、冷夏は話をそらした。

「午後ね、高橋の授業でさ、またよ」

「そうか、私行かなかった、ひどかったの」

「サボった?スゴーーイ」冷夏は深く空気を吸い込んだ。

「お腹痛かったから、何されたか」

「まあ、いつも通りってこと。慣れてるから別に普段よりひどくはないさ。ただ、デスクメートが巻き込まれて、恵美と朝美はね、高橋がなんで変態になっちゃったって」

「www高橋の仕草、ようやく発覚だ、祝おう」

「そうね(´▽`)コンテスト終わった、私帰るよ」

「まだ教室か、冷夏、よくやった、私ならきっとその場から逃げる」

「ありがとう(´・ω・`)またね」

「byebye」

冷夏は顔をそのまま維持して、歩みに揺れないように注意して、一年生と二年生の中に混じって、会場に使った教室を出た。
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