もう弟なんてやめてやる。
図書室で、

雫が鞄の中をガサゴソと
漁って気づいた。



「あー、あたし教科書忘れた!教室に取りに行ってくるね」

「え、俺の貸そうか?」

「ううん、それじゃ町田くん勉強出来ないでしょ?」

「ああ、そっか」

「すぐ戻るね」



図書室に着いて
すでに20分。


雫が図書室から出て行った。


「………」



残された町田が
頬杖をつきながら

カチカチとシャーペンを押す。


ここから、
どう持っていこうか…


『何、企んでんだよ』



ふと、陸の言葉を思い出して
ポキッとシャーシンを折った。

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