もう弟なんてやめてやる。
どうして、

よりによって“姉”なの…



「…陸くん、幸せになりたくないの?」

「………」

「あたしなら、あたしなら…陸くんを幸せにしてあげられる…!結婚だって出来る!」

「っ」



明石の真っ直ぐな想いに、
本当はずっと思ってたんだ。


明石を好きになれたらって…

そしたらこんな
辛い想いしなくて済む…

幸せに笑っていられる…


何度も何度も思った。


それでも雫が俺の中で
消えなくて。

明石と居る度、
雫への想いに気づかされる。



「…っ、認めない。あたしも世間も皆、認めないんだから!」



そんなこと、

俺の方が解ってる。


俺の感情は
世間に認められない…

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