もう弟なんてやめてやる。
「あんたが居なければ…、あんたさえ居なければ!あたしも陸くんも、こんなことにならなかったのに!」

「…え?」



泣きながら叫ぶように
そう言われて、

あたしは突然のことに
思考が停止した。


あたしが、居なければ…?



「何で、あんたなの…何で…!」

「っ」

「姉弟のくせに!絶対、幸せになんてならないんだから!!」


吐き捨てるように
勢いよく出た言葉は

どれも攻撃的で。


あたしはただ勢いに負けて
明石さんに言われるがままだった。



「どうせ、あんたも陸くんが好きなんでしょ!…っ、認めないから!絶対、認めない!!」



鋭い目つきに
あたしの心臓が嫌な動きをする。


なぜか恐怖を感じて
身体が震えて

その場から動けない…

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